2026/2/20の東証全市場・売買代金ランキングでNTTは36位、売買代金は約387億円、株価は151円水準。
この2年は横ばい基調で、いま「主役」ではない。
それでも——“いまは注目されていない大型コア資産”が、いつ再評価されるか。ここを見極めてみる。
導入|“静かな36位”に、あえて張る理由はあるか?
NTTは通信のディフェンシブに見えつつ、実態は (1) 国内通信の巨大キャッシュエンジン と (2) 法人・データセンター/ネットワーク・グローバル を抱える「インフラ×IT複合体」。
時価総額は約13.7兆円、予想PERは約12.8倍、予想配当利回りは約3.5%と、“高成長期待”というより“耐久資産の価格”で取引されている状態です。
いまの温度感はこうです。
- 期待:金利環境が読みにくい局面での「配当×自社株買い×底堅いCF」
- 不安:成長ストーリー(IOWN/データセンター/法人DX)が株価のトリガーになるほど見えていない
- 問い:“横ばい=終わった株”なのか、“横ばい=仕込み場”なのか?
次に市場が反応するのは、業績の加速か、株主還元の上振れか、構造改革の進捗か。
直近の株価と需給動向
① 現在株価(直近終値ベース)
- 151.0円(2026/2/20)
直近5年間の週足チャートを示します。

「売り枯れ買い枯れリバーサルシグナルv1.0」と独自のブレイクアウト・インジケーター「Range Breakout(株式用)」を乗せて、BUYとSELLシグナルを描出しています。
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② 騰落率(短期の温度)
- 1週間:-2.3%
- 1ヶ月:-5.7%
- 3ヶ月:-1.0%
- 1年(概算・終値比較):+3.4%(2025/2/20 終値146.0円 → 2026/2/20 151.0円)
- この2年は横ばい基調で、いま「主役」ではない感じ。
③ 出来高・売買代金からの解釈
- 売買代金36位は「資金が集中している」状態ではない(=相場の中心ではない)。
- ただし、短期騰落が弱い中でも価格が崩れにくいなら、長期資金の受け皿としての地力(配当・自己株)が効いている可能性あり。
この章のポイント
- NTTは“熱狂相場”の銘柄ではなく、再評価待ちの大型コアとして観察する局面。
- 短期では弱含みでも、1年で見ると大きく崩れていない(レンジの中での需給循環)。
過去5年の業績推移|数字は物語を語っているか
ここが本質です。「売上は伸びたが、利益は波がある」。この“利益の波”こそ、市場が疑うポイント。
5年推移(3月期)
| 年度 | 営業収益 | 営業利益 | 営業利益率 | EPS |
|---|---|---|---|---|
| 2021/03 | 11兆9439億 | 1兆6713億 | 13.99% | 9.93円 |
| 2022/03 | 12兆1564億 | 1兆7685億 | 14.55% | 13.17円 |
| 2023/03 | 13兆1361億 | 1兆8289億 | 13.92% | 13.92円 |
| 2024/03 | 13兆3745億 | 1兆9229億 | 14.38% | 15.09円 |
| 2025/03 | 13兆7047億 | 1兆6495億 | 12.04% | 11.96円 |
出典:IRBANK(EDINET等の開示データを集計)
成長の「質」
- 売上は右肩上がり(規模は拡大)
- 一方で2025/03は営業利益・EPSが低下(利益率が落ちた局面)
市場が再評価し始める条件(明示)
- 利益率が12%台→再び14%近辺へ戻る兆候
- もしくは、利益が伸びないなら株主還元の上振れ(自社株買い/増配)でバリュエーションが切り上がる兆候
この章のポイント
- 「成長していない」ではなく、利益の説明が難しい年があるのが株価停滞の核。
- 再評価トリガーは、利益率の再上昇か還元の強化。
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財務とキャッシュフロー|“耐久力”の中身
① バランスシートの骨格(2025/03 連結)
- 総資産:30.06兆円
- 親会社帰属持分(株主資本):10.22兆円
- 有利子負債:11.17兆円
- 現金等:1.00兆円
- 株主資本比率:34.0%
② キャッシュフロー(通期・2025/03)
- 営業CF:2.36兆円
- 投資CF:-2.00兆円
- 財務CF:-0.34兆円
- フリーCF:0.36兆円
解釈は、
- 営業CFが太い=事業の基礎体力は強い
- 投資CFのマイナスが大きい=成長/維持のための投資負担が重い
- フリーCFは十分とは言いづらい年もある=「高還元の持続性」を市場が慎重に見る理由
この章のポイント
- NTTは倒れにくいが、投資負担が株価の天井になり得る。
- “耐久力”はある。次は投資が利益につながる証明が要る。
事業セグメント分析|どこで稼ぎ、どこに賭けているか
NTTはセグメントが多層。市場が評価しやすいのは「安定キャッシュ」、評価しにくいのは「将来の芽」です。
- 主要セグメントの売上・利益の構成と推移は開示ベースで確認可能(IRBANKのセグメント集計)
市場が評価している部分
- 国内通信・インフラ(安定)
- 法人向け(ネットワーク/IT)の収益化が見えれば評価しやすい
まだ評価されにくい“将来の芽”
- 次世代ネットワーク(IOWN等)の“収益化タイムライン”
- データセンター/AI需要の取り込みが利益率にどう効くか
この章のポイント
- いまは「芽」より「幹(安定CF)」が主評価。
- 株価を動かすには、芽が利益として見える必要がある。
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ちょっと、コーヒーブレイク☕️
乾燥しがちな冬場。
乾燥肌に、全身に、なめらかに塗れるボディクリームです。
敏感肌にも大丈夫とのこと。
お風呂上がりに毎日使っています。

競合比較|“通信株”の中でどこが違う?
- KDDI:国内通信の安定+非通信(金融/決済等)で評価されやすい
- ソフトバンク(通信):通信+投資家に分かりやすい成長ストーリーが出ると強い
- 楽天G:通信投資負担が重く、収益性で見劣りしやすい
NTTが選ばれる局面は、「高成長」ではなく、“不透明な相場で資金を待避させる先”になったとき。
この章のポイント
- NTTは“通信の中の成長株”ではなく、巨大インフラの再評価株として見るのが筋。
成長ドライバーと時代背景
- 生成AI普及で、ネットワーク/データセンター/セキュリティの需要は構造的に増えやすい
- ただし市場が欲しいのは「需要」ではなく、NTTの利益率が上がる絵
- 投資局面が続くなら、株価はレンジになりやすい(投資=短期利益を削るため)
この章のポイント
- ドライバーは存在するが、株価は“利益の出方”を見て動く。
バリュエーション評価|期待はどこまで織り込まれたか
- 時価総額:約13.7兆円
- 予想PER:12.79倍
- PBR:1.3倍
- 予想配当利回り:3.51%
EV/EBITDA(概算)
- EV ≒ 時価総額13.673兆 + 有利子負債11.171兆 − 現金等1.001兆 ≒ 23.84兆円
- EBITDA ≒ 営業利益1.649兆 + 減価償却費1.722兆 ≒ 3.37兆円
- よって EV/EBITDA ≒ 約7.1倍(概算)
解釈
- “割安放置”というより、妥当レンジで寝ている。
- 上に抜けるには、(a) EPSの再加速 か (b) 還元強化 か (c) 新成長の収益化が要る。
この章のポイント
- バリュは極端ではない。材料が出れば上、出なければレンジ。
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アナリスト評価と市場コンセンサス
- 市場コンセンサスの目標株価の一例:177円(minkabu系集計)
強気派の論点
- 高配当・安定CF・自己株買い余地
- AI/データセンター時代に“ネットワークの価値”が上がる
弱気派の論点
- 投資負担で利益率が上がりにくい
- 成長ストーリーの“いつ・どれだけ”が曖昧
この章のポイント
- 目標株価は上にあるが、“トリガー待ち”である点は共通。
主要リスク|相場がまだ見ていない落とし穴は?
- 投資負担の長期化(中×中〜大):利益率が戻らない
- 規制・料金圧力(中×中):国内通信の収益に圧
- 金利上昇(中×中):負債が大きい企業は評価が上がりにくい
- 技術投資の収益化遅延(中×中):IOWN等が“絵に描いた餅”扱いされる
トリガー(危険信号)
- 営業利益率が12%台で固定化
- フリーCFが細いまま還元だけ増やす(持続性への疑念)
この章のポイント
- 最大のリスクは「通信が終わる」ではなく、“投資が利益に化けない”こと。
3〜5年シナリオ分析(株価レンジのイメージ)
前提として、会社予想EPSは2026/03:11.81円(予)
| ケース | 前提 | PER想定 | 株価レンジ(目安) |
|---|---|---|---|
| 強気 | 利益率回復+還元強化 | 14〜16倍 | 165〜189円 |
| 中立 | レンジ継続(投資優先) | 11〜13倍 | 130〜154円 |
| 弱気 | 利益率低下/規制圧力 | 9〜10倍 | 106〜118円 |
この章のポイント
- いまの株価水準は、中立〜やや強気の境界。
- “強気”に上げるには、利益率の改善 or 還元の明確化が必要。
長期投資家としての結論
スタンス:条件付きで「長期の分割エントリーは合理的」(ただし“中心銘柄”ではない前提で)
判断理由
- 時価総額13兆円級でも、配当利回り3%台で保有コストが低い
- 営業CFが太く、景気後退でも致命傷になりにくい
- レンジ相場は「投資家が退屈して去る」局面=仕込みの機会になり得る
- 上抜けトリガーが明確(利益率回復/還元/成長の収益化)
- 逆に下抜けトリガーも明確(利益率固定化/FCF悪化)
向いている投資家像
- 守備型(配当+分散)
- “次の評価替え”を待てる長期目線
この章のポイント
- NTTは「当てに行く銘柄」ではなく、“拾って待つ銘柄”。
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短期トレード視点(1〜3ヶ月)
- 需給:相場の主役ではないため、短期で出来高が爆発しにくい
- イベント:決算、還元方針、投資計画のアップデートが主材料
- “中心”から外れる兆候:そもそも中心ではないが、下方向は150円割れ→戻り弱い形が続くと警戒
この章のポイント
- 短期は「値幅を取りにいく銘柄」ではなく、押し目の形を待つ銘柄。
具体的投資戦略(ミドルリスク前提)
※過度なレバレッジは推奨しません。
押し目買いゾーン(分割)
- 第1ゾーン:145〜148円(レンジ下限寄り)
- 第2ゾーン:138〜142円(中立シナリオの中心)
- 最終防衛:130円近辺(中立下限、割れたら弱気シナリオへ)
利確目標
- 165円(強気入り口:PER14倍近辺)
- 177円(市場コンセンサスの一例)
- 189円(強気上限:PER16倍)
撤退ライン
- 終値ベースで130円割れが定着(弱気シナリオ入りの確度が上がる)
- しかし、配当狙いならエントリーも考慮
この章のポイント
- “上値を追う”より、押し目を拾ってトリガーを待つ設計が合う。
総合評価
- 総合評価:7.2 / 10
評価理由
- 配当利回りが高く、保有の時間コストが低い
- 営業CFは大きく、耐久力は高い
- 一方で投資負担が利益率を抑えやすい
- 直近5年で利益率の波が大きく、評価替えに時間がかかる
- バリュは極端に割安ではなく、材料待ちのレンジになりやすい
- “中心銘柄”ではないため短期の資金流入は限定的
- ただし再評価トリガー(利益率回復/還元強化)が明確
- 目標株価コンセンサスは上方向を示す例もある
- 長期の分割仕込みには合理性がある
- 結論:地味だが、次の中核候補を“静かに拾う”フェーズ
この銘柄は今どのフェーズ?
➡️ 「相場の中心ではない退屈なレンジ=仕込み検討フェーズ」
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免責事項
本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点(分析基準日:2026年2月22日)の公開情報等に基づくものであり、正確性・完全性を保証しません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。なお、本記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。広告経由で商品・サービスを購入された場合、筆者に報酬が発生することがありますが、紹介内容や評価の独立性を保証するものではありません。




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