分析基準日:2026年2月25日
導入|“異変”はどこから来たのか
日東紡は、祖業の繊維だけでは語れない企業です。現在の稼ぎ頭は 電子材料(スペシャルガラス) と メディカル(体外診断など)。特に電子材料は、半導体パッケージ基板向けの低熱膨張・低誘電スペシャルガラスが柱で、「AIサーバー需要」を追い風に収益が急拡大しています(会社側コメント)。
そして今、株価は「ニュースで買われた」だけでは説明しづらい動きに入っています。
- 2/25 終値:27,680円(出来高 5,649,500株)
- 2月上旬(2/3:15,200円)→2/25(27,680円)へ、短期間で大幅上昇
機関投資家目線で言えば、「材料→需給→業績(上方修正)→指数/ファンドのリバランス」という連鎖が起きやすい局面。実際、会社は2026/3期の通期予想を上方修正しています。
さて、
この上昇は、決算・上方修正で終わる“花火”か。
それとも「AIインフラの構造需要」を取り込むことで、日東紡が“素材の中核銘柄”として再格付けされる入口なのか——。
この章のポイント
- 需給の熱源は「電子材料×AIサーバー需要」
- 価格発見が急で、短期資金も入りやすい(振れ幅が増える局面)
直近の株価と需給動向|「踏み上げ」か「トレンド発生」か
1) 現在株価・騰落率(基準:2026/2/25)
- 株価(終値):27,680円
騰落率(近似:代表的な基準日終値で算出)
日足の1年間チャートです。

「売り枯れ買い枯れリバーサルシグナルv1.0」と独自のブレイクアウト・インジケーター「Range Breakout(株式用)」を乗せて、BUYとSELLシグナルを描出しています。
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| 期間 | 基準終値 | 2/25終値 | 騰落率 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | 15,440円(2026/1/27) | 27,680円 | +79.3% |
| 3ヶ月 | 13,660円(2025/11 月末近辺) | 27,680円 | +102.6% |
| 1年 | 4,620円(2025/2 月末近辺) | 27,680円 | +499%前後 |
2) 出来高の変化(平常時比)
- 2/25 出来高:5,649,500株
- 直近でも 200万〜400万株級が頻発(例:2/6 4,672,500株、2/12 3,901,300株)
→ “平常時比”の厳密な平均は別途必要ですが、少なくとも 出来高が一段上がった状態が継続しており、短期資金だけでなく中期資金の回転も疑えます。
3) チャート形状と投資家心理
- 上昇=踏み上げ要素+トレンド発生の混合
- 急騰局面はショートの買い戻し(踏み上げ)も入り得る一方、業績上方修正・テーマ(AIサーバー)と整合するため「トレンド」も成立しやすい。
- 下落=失望というより“過熱調整”になりやすい
- 需給が熱い銘柄は「悪材料が出た」よりも「上がりすぎた」調整が先に来やすい(ボラが上がる)。
この章のポイント
- 1ヶ月で+79%は“需給の相転移”のサイン
- 出来高水準が維持されるかが、「一過性」か「中核化」かの分水嶺
過去5年の業績推移|数字は物語を語っているか
(連結、3月期。売上・利益はIRBANK掲載の決算実績)
1) 5年推移(実績)
| 期末(3月期) | 売上高(億円) | 営業利益(億円) | 営業利益率 | 当期純利益(億円) | EPS概算(円)* |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021 | 787.3 | 59.6 | 7.6% | 81.0 | 223 |
| 2022 | 840.5 | 72.7 | 8.6% | 65.2 | 179 |
| 2023 | 875.3 | 48.8 | 5.6% | 27.7 | 76 |
| 2024 | 932.5 | 83.9 | 9.0% | 73.0 | 200 |
| 2025 | 1,090.4 | 164.5 | 15.1% | 128.4 | 353 |
*EPS概算:当期純利益÷期中平均株式数(概ね36.4百万株で近似、2025は実EPSと整合)
2) 成長の「質」:数量増か、単価か、構造変化か
直近で目立つのは「売上の伸び以上に利益が伸びる」局面です。
- 2026/3期 9カ月累計:売上 +7.5%に対し、営業利益 +26.4%
- 会社側は、電子材料で **高付加価値(スペシャルガラス)**が強いことを明言
→ これは「数量×単価」もありますが、本質は プロダクトミックス改善(高粗利領域の比率上昇)=構造変化寄り。
3) 市場が再評価し始めたポイント
- 電子材料が“AIサーバー需要”の波に乗った(用途が明確で、投資家がテーマ化しやすい)
- 通期予想の上方修正が需給を正当化
この章のポイント
- 利益率が上がる“構造変化”が起きている
- 「電子材料の強さ」が、株価の中核化の根拠になり得る
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財務とキャッシュフロー|この企業は“耐久力”があるか
1) 財政状態(直近:2025/12末)
- 総資産:2,725.9億円
- 自己資本比率:60.5%
→ 素材×設備投資が必要な業種としては、自己資本比率は厚め。
2) キャッシュフロー(2025/3期)
- 営業CF:+191.2億円
- 投資CF:▲114.2億円(設備投資色)
- 財務CF:▲32.8億円
- 現金同等物期末:283.9億円
→ 「稼ぐ力(営業CF)」で「投資(投資CF)」を相当程度まかなっており、健全な拡張。
3) 不況局面・金利上昇局面への耐性
- 自己資本比率が高めで、現金も厚い(2025/12末で現金・預金増加も言及)
- ただし、電子材料の成長が“AI投資サイクル”に依存し得る点は景気後退局面で注意(後述)。
この章のポイント
- CFは「稼いで投資する」良い形
- 財務は堅いが、景気感応度(投資サイクル)には目配りが必要
事業セグメント分析|どこで稼ぎ、どこに賭けているか
1) 2026/3期 9カ月(会社開示)
| セグメント | 売上(億円) | 営業利益(億円) | コメント |
|---|---|---|---|
| 電子材料 | 360.9 | 138.3 | AIサーバー需要、スペシャルガラスが強い |
| メディカル | 103.2 | 18.6 | 中国の国産優遇影響も、試薬等は堅調 |
| 複合材 | 100.4 | ▲1.9 | 赤字改善(前年は定修コスト重い) |
| 資材ソリューション | 70.3 | 3.9 | 原材料高で利益圧迫 |
| 断熱材 | 114.2 | 0.9 | 住宅向け鈍い+定修コスト |
| その他 | 126.9 | 4.4 | 堅調 |
2) 市場が評価しているのはどの事業か
結論:電子材料(ほぼこれが“相場の核”)。営業利益の絶対額・伸びが突出しています。
3) まだ評価されていない“将来の芽”
- 複合材:赤字改善が続けば「オプション価値」
- メディカル:景気耐性(ディフェンシブ性)で再評価余地
この章のポイント
- 利益ドライバーは電子材料
- 非主役事業は、下値の耐性・オプションとして効く可能性
競合比較|なぜ「この企業」が選ばれているのか
※ここは“投資家が見ている対戦軸”で整理(厳密な製品別シェアは用途ごとに異なるため、比較は概念整理中心)。
競合の俯瞰(例)
| 企業 | 主戦場 | 強み | 日東紡が選ばれた理由(仮説) |
|---|---|---|---|
| AGC | ガラス全般 | 規模・用途の広さ | 日東紡は“AI×パッケージ基板向け”でテーマ純度が高い |
| 日本電気硝子(NEG) | 電子材料ガラス | 技術・量産 | 日東紡は足元の利益成長が際立ちやすい(ミックス改善) |
| Corning等(海外) | 高機能ガラス | R&D/グローバル | 日本株でテーマを取りやすい、需給が集まりやすい |
相場が競合ではなく本銘柄を選んだ理由(需給面)
- 「AIサーバー需要」という単一テーマで説明しやすい
- かつ、決算で利益成長が裏付く(上方修正含む)
この章のポイント
- 勝ち筋は「テーマ純度×利益成長の視認性」
- 競合比較は“技術”よりも“需給が集まる物語”が効いている
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ちょっと、コーヒーブレイク☕️
疲労回復をサポートするリカバリーウェア?
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着てるとなんだがポカポカして寝起きがスッキリしてる感じ。
疲労回復してるかはよく分かりませんが、血行は良くなってるかもしれません。
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成長ドライバーと時代背景|追い風に乗れているか
1) ドライバー(会社開示ベース)
- AIサーバー関連需要が継続、半導体パッケージ基板向けスペシャルガラスが牽引
- 中計(FY2024–2027)と長期ビジョン(Big VISION 2030)で、環境/デジタル/ヘルス領域の“ニッチNo.1”を志向
2) マクロ環境(投資家が恐れる点)
- 金利上昇:グロース株のPER調整圧力
- 米中・地政学:半導体供給網の変動
- 為替:輸出入・海外需要の影響(詳細は会社感応度確認が必要)
この章のポイント
- ドライバーは“AI投資サイクル”
- 追い風は強いが、マクロでバリュエーションが揺れやすい
バリュエーション評価|期待はどこまで織り込まれたか
主要指標(2/25時点に近い表示)
- PER:26.52倍、PBR:6.11倍(Yahoo表示)
- 参考:予想EPS 1,043.79円(会社予想・決算短信)
EV/EBITDA(概算)
- 時価総額:約9,883億円(2/24時点表示)
- 現金同等物:約283.9億円
- EBITDA:決算資料上、2025/3期の営業利益は164.5億円(減価償却等を加えるとEBITDAはこれより上、精査は追加資料が必要)
→ 結論として、“安いから買われている”ではない。
市場は「電子材料の成長が続く」シナリオに対してプレミアムを払っています。
この章のポイント
- PER/PBRは高水準寄り=“成長継続”前提の値付け
- バリュエーション調整が入ると下げも速い(需給熱が高いほど)
アナリスト評価と市場コンセンサス
- 会社は通期予想を上方修正(営業利益 200億、純利益 380億)
- 一方で、株価上昇が急な局面では、コンセンサスの更新(目標株価引き上げ)が追いつかないことがよくあります(“株が先に走る”状態)。
強気派の論点
- AIサーバー需要×スペシャルガラスで高収益が続く
弱気派の論点
- AI投資サイクルが一服した瞬間に、ミックス改善が逆回転する
- 高PBR(資産倍率)の正当化が難しくなる局面がある
この章のポイント
- “業績の上方修正”は強い追い風
- ただし株価が先行しすぎると、評価の更新待ちで調整が起きやすい
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主要リスク|相場がまだ見ていない落とし穴
発生確率×インパクト(主観的に3段階で整理)
| リスク | 確率 | 影響 | トリガー例 |
|---|---|---|---|
| AIサーバー投資の減速 | 中 | 大 | 大手DC投資の減速、半導体在庫調整 |
| 利益率の正常化 | 中 | 中〜大 | 競争激化、価格下落、プロダクトミックス悪化 |
| 定修/コスト増の再発 | 低〜中 | 中 | 設備更新・停止、原材料高 |
| 地政学・規制 | 低〜中 | 中 | 輸出規制、サプライチェーン分断 |
この章のポイント
- いちばんの本丸は「AI投資サイクル」
- 次点が「利益率(ミックス)の維持」
3〜5年シナリオ分析
※株価レンジは“目安”。鍵はEPSの持続性(会社予想EPS 1,043.79円が基準)
強気(構造需要継続)
- EPS:900〜1,200円レンジを維持
- PER:25〜35倍(テーマ継続なら高止まり)
- 株価イメージ:22,000〜42,000円
中立(成長は続くが正常化)
- EPS:700〜900円
- PER:18〜25倍
- 株価イメージ:13,000〜22,500円
弱気(サイクル調整)
- EPS:400〜700円
- PER:12〜18倍
- 株価イメージ:5,000〜12,600円
相場が織り込み始めているのは?
足元の値動きは、少なくとも「中立」ではなく 強気寄りの持続をかなり織り込んでいます(急騰+出来高増)。
この章のポイント
- 現在地は“強気シナリオの入口〜中盤”の値付け
- だからこそ、悪材料が出たときの調整幅も大きい
長期投資家としての結論
スタンス:条件付きで“長期で戦える可能性は高い”(ただし“買い方”が重要)
判断理由
- 電子材料が AIサーバー需要に直結し、成長の説明力が高い
- 利益成長が売上成長を上回る局面(ミックス改善)
- 自己資本比率60%台で財務の厚みがある
- CFが「稼いで投資」の好循環(2025/3期)
- ただし評価はすでに高く、押し目前提が合理的
向いている投資家像
- 成長志向(ただし分割買い・押し目待ちができる人)
- 短期の上下に耐えられる中長期投資家(ボラ許容)
この章のポイント
- “企業の質”は良い、問題は“値段”
- 長期は、買いのタイミング設計が成否を分ける
短期トレード視点(1〜3ヶ月)
- ボラティリティ:高(出来高増+急騰局面)
- イベント:決算/ガイダンス更新、アナリスト目標株価の更新、指数イベント等
- 上振れ:テーマ継続+強いガイダンス
- 下振れ:材料出尽くし、指数・需給要因の反転
“相場の中心”から外れる兆候(チェックリスト)
- 出来高が急減(例:ピークの1/3以下が継続)
- 上昇日に出来高が伴わず、下落日に出来高が増える
- 上方修正/好材料でも上がらない(需給飽和)
この章のポイント
- いまは「需給で動く」割合が高い
- 価格よりも出来高の変化が先行指標
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具体的投資戦略(案)
※過度なレバレッジは推奨しません(急騰局面は逆回転も速い)。
押し目買いゾーン(案)
- 第1ゾーン:21,000〜23,000円(直近の急騰前の価格帯付近)
- 第2ゾーン:17,000〜19,000円(2月前半の厚い出来高帯)
- 第3ゾーン:14,500〜15,500円(トレンドの起点に近い)
利確目標(案)
- 30,000円(心理的節目)
- 35,000円(強気継続シナリオの加速域)
撤退ライン(案)
- 終値ベースで19,000円割れが定着:2月のトレンド加速帯を割る=需給反転の疑い
- あるいは「好材料でも上がらない」が2回続く:需給飽和シグナル
この章のポイント
- “高値追い”ではなく、押し目で分割
- 撤退条件は価格だけでなく「反応の鈍さ」も使う
総合評価
- 総合評価:8.6 / 10
評価理由
- 電子材料がAIサーバー需要と直結
- 売上以上に利益が伸びる(ミックス改善)
- 通期上方修正で需給を正当化
- 自己資本比率60%台で財務が厚い
- 2025/3期CFが健全(営業CFで投資を支える)
- ただし急騰でボラが高い
- PBR高水準で期待の織り込みが進む
- AI投資サイクル減速が最大リスク
- 需給主導の局面は“反転も速い”
- 結論:企業は良いが、買い方は慎重が勝ち筋
この銘柄は今どのフェーズか
「AIインフラ需要を背景に、電子材料が利益の主役へ“構造転換”し、相場が強気シナリオを織り込み始めたフェーズ」
免責事項
本記事は、情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。記載内容は、公開情報に基づき作成していますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。市場環境や企業状況の変化により、前提が変わる可能性があります。
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