はじめに
“この記事の要点”
- 下落の主因は「Switch 2不調」ではなく、立ち上げ期の利益率低下(採算懸念)と材料出尽くし+高バリュエーション調整。
- 中長期はIP×プラットフォームの強者だが、ハード立ち上げ期は部材・供給・為替・関税などでマージンが揺れやすい。
- 結論:長期は買い寄り。ただし今は“買い急がず”分割+押し目で組むのが合理的。
※本記事は情報提供目的であり、投資助言ではありません。投資判断は自己責任でお願いします。
直近の株価と推移
直近株価(2026/01/13) 9,950円(終値)
(出典:株価データサイト / 取引所情報)
騰落率(当ブログ集計)
| 期間 | 参照株価 | 騰落率 |
|---|---|---|
| 1カ月 | 10,595円(2025/12/30) | -6.1% |
| 3カ月 | 12,385円(2025/10/10) | -19.7% |
| 1年 | 9,332円(2025/01/14) | +6.6% |
- 2025年8月高値(14,795円)→ 2026年1月(9,950円)へ下降トレンド
- 高値・安値を切り下げる形で戻り売りが出やすい局面
過去5年の業績推移(売上・利益・利益率・EPS)
“ポイント”
- FY2021〜FY2024は営業利益率30%台の高収益が続いた
- FY2025は売上・利益が大きく落ち、利益率も低下
- 直近は「売上」よりも利益率の戻りが株価の論点になりやすい
| 年度(3月期) | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | EPS |
|---|---|---|---|---|
| FY2021 | 1,758,910百万円 | 640,634百万円 | 36.4% | 約403円(分割後換算) |
| FY2022 | 1,695,344百万円 | 592,760百万円 | 35.0% | 約405円(分割後換算) |
| FY2023 | 1,601,677百万円 | 504,375百万円 | 31.5% | 386.97円 |
| FY2024 | 1,671,865百万円 | 528,941百万円 | 31.6% | 413.67円 |
| FY2025 | 1,164,922百万円 | 282,553百万円 | 24.3% | 245.36円 |
出典:任天堂 IR(Financial Highlights / Annual Report)
財務状態(安全性とキャッシュ)
“結論:財務は鉄壁(資金繰り不安は極小)”
- 自己資本比率:80.2%
- 有利子負債依存が低く、景気後退局面でも耐えやすい
- ハード立ち上げ期の投資・在庫増にも耐えられる体力
| 項目(FY2025) | 数値 | 評価 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 80.2% | 極めて健全 |
| 総資産 | 3,398,515百万円 | — |
| 純資産 | 2,725,446百万円 | — |
| 負債÷純資産(参考) | 約24.7%(当ブログ計算) | 低い |
キャッシュフロー(傾向)
| 年度 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | 現金同等物期末 |
|---|---|---|---|---|
| FY2023 | 408,296 | -6,217 | -97,610 | 1,623,055 |
| FY2024 | 462,097 | -359,934 | -89,314 | 1,635,903 |
| FY2025 | 12,069 | -136,527 | -92,953 | 1,414,121 |
出典:任天堂 IR(Financial Highlights)
事業セグメント別(売上構成と利益構造)
“稼ぎ頭はどこ?”
- ソフト(デジタル含む)が最大の稼ぎ頭(高粗利)
- ハード立ち上げ期は採算が揺れやすい(部材コスト・供給・販売構成など)
- IP収益は伸び代だが、案件・作品の波が出る
| 区分(FY2025) | 金額 | 構成比 |
|---|---|---|
| ハード(専用ゲーム機) | 310,845百万円 | 26.7% |
| ソフト(パッケージ/ダウンロード) | 750,771百万円 | 64.4% |
| モバイル/IP関連収入 | 67,764百万円 | 5.8% |
| その他 | 35,541百万円 | 3.1% |
出典:Nintendo Annual Report(売上内訳)
競合企業との比較(3〜5社)
“競合の土俵が違う点に注意”
任天堂は「自社ハード×自社ソフト×IP」の統合型。
一方、Microsoftはサブスク/クラウド、Sonyはネットワーク+スタジオ、EAはライブサービス中心で、ビジネスモデルが完全一致する競合は少ない。
| 企業 | 主戦場 | 収益モデル | 任天堂に対する相対 |
|---|---|---|---|
| 任天堂 | ハード+ファーストパーティ | ソフト高粗利+IP | IP×自社プラットフォームが強い |
| Sony(PS) | コンソール+ネットワーク | ハード/ネットワーク/スタジオ | 規模大・分散(客層は一部重なる) |
| Microsoft(Xbox) | エコシステム | サブスク(Game Pass等) | 資本力とクラウドで優位(客層は別) |
| EA | スポーツ/ライブサービス | 継続課金が強い | モデルが別物 |
| Take-Two | AAAソフト | ヒット依存(大) | タイトル依存が大きい |
成長ドライバー
“今後3〜5年の軸”
- Switch 2普及:台数増 × ソフト装着率で利益のレバレッジ
- デジタル比率上昇:粗利改善に直結
- IP展開(映画・テーマパーク・グッズ):ゲーム外で収益源多角化
株価の割安性(バリュエーション)
| 指標(2026/01/13) | 数値 |
|---|---|
| PER | 33.1倍 |
| PBR | 4.11倍 |
| 配当利回り | 1.82% |
“評価(当ブログ見立て)”
- 利益が落ちた局面ではPERが高く見えやすい
- 今の焦点は「割安/割高」よりも利益率がどこまで戻るかの織り込み
アナリスト評価とコンセンサス
“コンセンサス”
- 目標株価:11,941円
- アナリスト平均目標株価:14,325円
- 判断:買い優勢
会社が抱える主要リスク
| リスク分類 | 内容 | インパクト | 発生確率 |
|---|---|---|---|
| 製品/供給 | 部材コスト高・供給制約で採算が悪化 | 大 | 中 |
| 事業構造 | ハードサイクル依存で業績が波打つ | 大 | 高 |
| コンテンツ | 主要タイトル遅延/失速 | 中〜大 | 中 |
| マクロ/政策 | 関税・地政学・為替でマージンが揺れる | 中 | 中 |
| 需給 | 高値からの調整で戻り売りが継続 | 中 | 高 |
今後3〜5年のシナリオ(強気/中立/弱気)
| シナリオ | 業績イメージ(売上/営業利益) | 株価レンジ(イメージ) | 前提 |
|---|---|---|---|
| 強気 | 売上:2.0〜2.6兆円 営業利益:0.45〜0.60兆円 |
12,500〜18,000円 | ソフト比率↑、部材高が落ち着き粗利改善、キラータイトル継続 |
| 中立 | 売上:1.7〜2.3兆円 営業利益:0.33〜0.45兆円 |
10,000〜14,500円 | 需要は堅調だがマージン回復は緩やか |
| 弱気 | 売上:1.4〜1.9兆円 営業利益:0.22〜0.33兆円 |
8,500〜11,500円 | 供給/関税/部材高が長引く、ソフト牽引弱い |
長期投資家としての判断
“結論:長期は「買い」寄り(ただし押し目分割)”
- IP×プラットフォームという強固な“堀”がある
- 財務が強く、失速局面でも耐久力が高い
- ただし現局面は利益率が論点。底打ち確認+分割が合理的
短期トレード(1〜3ヶ月)の視点
“短期は“戻り売り優勢”を前提に組み立てる”
- 下降トレンドでは好材料でも上値が重い(戻り売り)
- 決算・販売台数・利益率コメントが最大イベント
- 利益率改善の示唆が出れば反転の起点になり得る
投資戦略(ミドルリスク・ミドルリターン)
| 区分 | 価格帯(目安) | 意図 |
|---|---|---|
| 押し目買い①(軽め) | 9,500〜9,900円 | 直近レンジ下限の反発を拾う |
| 押し目買い②(本命) | 9,000〜9,300円 | 過去安値帯の需給を狙う |
| 追加(深押し) | 8,500〜8,900円 | 投げが出た場合の拾い |
| 利確① | 10,600〜11,000円 | 戻りの第一抵抗帯 |
| 利確② | 12,000〜12,500円 | 心理節目+過去水準 |
| 利確③ | 14,000円超 | コンセンサス水準を意識 |
| 撤退(テクニカル) | 8,500円割れ定着 | 下落トレンド継続の可能性 |
なぜ今、株価が下降傾向なのか(考察)
“結論:売上より“利益率”が問われる局面だから”
- Switch 2は売れる一方、立ち上げ期は部材コスト・供給・物流・販売構成で採算がぶれやすい
- 高値圏からの調整では材料出尽くしになりやすく、好材料でも戻り売りが優勢
- 市場は「台数」よりも利益率の回復スピードを見に行っている
総合評価(10点満点)
“総合評価:7.6 / 10”
- IP・財務・ブランドは最強クラスで長期の土台は強い
- ただし現局面は過渡期(利益率が主戦場)で短期は荒れやすい
- 戦略は「強気で追う」より押し目分割+改善シグナル待ちが合理的
免責事項
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の投資行動を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。
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