- 導入|“いつものMSFT”ではない。資金が見ているのはOSでもOfficeでもなく「AI×クラウドの収益装置」
- 直近の株価と需給動向|下落は“失望”か“調整”か
- 過去5年の業績推移|数字は物語を語っているか
- 財務とキャッシュフロー|この企業は“耐久力”があるか
- 事業セグメント分析|どこで稼ぎ、どこに賭けているか
- 競合比較|なぜ「この企業」が選ばれているのか
- 成長ドライバーと時代背景
- バリュエーション評価|期待はどこまで織り込まれたか
- アナリスト評価と市場コンセンサス
- 主要リスク|相場がまだ見ていない落とし穴
- 3〜5年シナリオ分析(イメージ)
- 長期投資家としての結論
- 短期トレード視点(1〜3か月)
- 具体的投資戦略(ミドルリスク前提)
- 総合評価
導入|“いつものMSFT”ではない。資金が見ているのはOSでもOfficeでもなく「AI×クラウドの収益装置」
マイクロソフト(Microsoft, MSFT)は、
- クラウド(Azure)
- 業務ソフト(Microsoft 365 / Dynamics)
- 開発基盤(GitHub / DevOps)
- 広告(検索・ニュース)
- ゲーム(Xbox)
を束ねる“企業ITの基盤企業”です。
ところが今、需給面で起きているのは「大型優良株の安定推移」ではなく、AI投資(=巨額Capex)と成長率(Azure)に市場が過敏に反応し、資金が入れ替わる局面です。
実際、FY26 Q2(四半期:2025/10-12)では売上+17%・営業益+21%と強い一方で、Azure成長とAI投資負担(粗利率/FCF)が“相場の論点”になっています。
出来高も「平常時よりやや厚い」。直近の出来高は約3,396万株、一方で3か月平均出来高は約3,124万株とされ、約1.09倍の水準です(=資金の関心が抜けていない)。
問い:MSFTの売買代金上位化は「決算イベントの一過性」なのか?
それとも、AI時代の“中核(コア・ホールディング)”として、資金が再配置を始めたサインなのか?
この章のポイント
- MSFTは「AI×クラウドの収益装置」として評価される局面に入っている
- 市場は“成長”だけでなく、AI投資によるキャッシュフロー圧迫も同時に織り込みに行っている
直近の株価と需給動向|下落は“失望”か“調整”か
1) 現在株価
- $397.23(直近参照値:2026/2/20)
週足の5年間チャートを示してみます。

「売り枯れ買い枯れリバーサルシグナルv1.0」と独自のブレイクアウト・インジケーター「Range Breakout(株式用)」を乗せて、BUYとSELLシグナルを描出しています。
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2) 騰落率(1か月・3か月・1年)
参照用に、近傍日付の終値を用いた概算です。
| 期間 | 参照終値 | 騰落率 |
|---|---|---|
| 1か月(~2026/1/23) | $465.95 | -14.7% |
| 3か月(~2025/11/20) | $492.71 | -19.4% |
| 1年(~2025/2/20) | (1年騰落:-3.3%) | -3.3% |
※1年は「2025/2/20→2026/2/20」の騰落率データを採用。
3) 出来高(平常時比)
- 直近出来高:約3,396万株
- 3か月平均出来高:約3,124万株
- 平常時比:約1.09倍
4) チャート形状と投資家心理(解釈)
- 直近は高値圏($450台)からの急速なバリュエーション調整に見える(= “AI投資負担”の織り込み)。
- ただし、決算自体は強く(売上・営業益・EPS成長)、ファンダが崩れての失望売りというより、期待の再計算(倍率の圧縮)が主因になりやすい局面。
この章のポイント
- 下落は「業績悪化」よりも、AI投資と成長率の織り込み直しの色が濃い
- 出来高は細っておらず、関心は継続
過去5年の業績推移|数字は物語を語っているか
Microsoftの年次(FY:6月期)の主要数値(GAAP)。
| FY(6月期) | 売上高($M) | 営業利益($M) | 営業利益率 | 希薄化EPS |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 281,724 | 128,528 | 45.6% | 13.64 |
| 2024 | 245,122 | 109,433 | 44.6% | 11.80 |
| 2023 | 211,915 | 88,523 | 41.8% | 9.68 |
| 2022 | 198,270 | 83,383 | 42.1% | 9.65 |
| 2021 | 168,088 | 69,916 | 41.6% | 8.05 |
成長の「質」
- 売上成長は明確(FY21→FY25で規模が大きく拡大)。
- 利益率は高水準のまま推移し、FY25は営業利益率45%台。
- FY25の説明では、クラウド/AI投資でクラウド粗利率が押される一方、効率化で相殺されている旨が明記されています。
市場が再評価し始めたポイント(仮説)
- “AIは研究テーマ”から、「クラウドに載った課金機能」へ(Copilot、Azure AI、セキュリティ等)。
- その一方で、投資家は「いつ、どれだけFCFに落ちるか」を強く見るフェーズへ。
この章のポイント
- MSFTの強みは「売上成長」だけでなく、高利益率を維持したまま拡大できている点
- 直近の評価軸は「AIで伸びるか」+「AI投資の回収が見えるか」
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財務とキャッシュフロー|この企業は“耐久力”があるか
1) 財務の骨格(FY25末)
- 総資産:$619.0B
- 総負債:$275.5B
- 株主資本:$343.5B(自己資本比率 ≒ 55.5%)
- 長期負債(Long-term debt):$40.2B、1年内返済分:$3.0B
→ メガテックの中でも資本の厚みが大きく、金利上昇局面でも“耐久力”は高い部類。
2) キャッシュフローの論点:AI投資(Capex)の重さ
- FY25の投資CFに関して、設備投資(property and equipment)の増加が明示されています。
- ここが今、株価の倍率(PER)を圧縮させる最大要因になりやすい。
この章のポイント
- 自己資本比率は約55%と厚く、財務耐久力は高い
- ただし相場は今、「AI投資=FCF圧迫」に敏感
事業セグメント分析|どこで稼ぎ、どこに賭けているか
FY25(年次)のセグメント構造
| セグメント | 売上($M) | 営業利益($M) |
|---|---|---|
| Productivity & Business Processes | 120,810 | 69,773 |
| Intelligent Cloud | 106,265 | 44,589 |
| More Personal Computing | 54,649 | 14,166 |
| 合計 | 281,724 | 128,528 |
直近四半期(FY26 Q2:2025/10-12)
- Productivity:$34.1B(+16%)
- Intelligent Cloud:$32.9B(+29%) ※Azure等は+39%
- More Personal Computing:$14.3B(-3%)
- Microsoft Cloud売上:$51.5B(+26%)
市場が評価しているのはどこか
- 結論:Intelligent Cloud(=Azure)。成長率が株価の温度計。
- Productivityは“安定成長の柱”。
- MPC(Windows/Xbox等)は景気・サイクル影響を受けやすい。
この章のポイント
- 需給の焦点は Azure成長(+39%)とクラウド粗利率
- 成長ドライバーが明確な一方、投資負担も同時に増える構造
競合比較|なぜ「この企業」が選ばれているのか
“クラウド×AI”の戦場で見た主要競合(代表例):
| 領域 | 主な競合 | MSFTの相対優位(要点) |
|---|---|---|
| パブリッククラウド | AWS / Google Cloud | 企業IT(Windows/AD/Office)からの移行導線が強い、ハイブリッドに強い |
| 生成AI基盤 | OpenAI/各種モデル陣営 | Azure上のAI供給力を拡大し「企業向け課金」に落とし込みやすい |
| 業務アプリ/CRM | Salesforce など | M365/Dynamics/Power Platformで“統合”の強み |
| データ/分析 | Snowflake 等 | Fabricや既存顧客基盤で横展開しやすい |
加えて、Synergy Researchによれば、クラウド市場はAWS・Microsoft・Googleの3社で63%のシェアを占める(企業支出ベース)。トップ3にいること自体が“中心銘柄化”の前提条件です。
この章のポイント
- 「勝ち組の土俵(トップ3)」にいることが資金を呼ぶ
- MSFTは“クラウド単体”ではなく、企業ITの入口(M365)から束で取れるのが強い
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ちょっと、コーヒーブレイク☕️
歯ブラシは以前に紹介しましたが、今度は歯磨き粉。
これまでにいろいろと試しましたが、これが一番いいんじゃないかと思います。
歯肉の状態が良くなりました。
歯科専売らしく普通のドラッグストアでは見たことないですね。
アマゾンでも品切れだったり、値段が高くなったりすることがありますが、いいタイミングで購入しています。

成長ドライバーと時代背景
1) 市場の伸び(定量)
- クラウド市場:2024→2030でCAGR 20%前後とする推計。
- 企業向け生成AI:2025→2030 CAGR 38%とする推計。
2) マクロ環境(市場が恐れているもの)
- 金利が高止まりすると、長期成長株の倍率(PER)が圧縮されやすい。
- さらにAIは“電力・GPU・DC”が必要で、Capexの重さが増す。MSFT自身もAIデータセンター投資計画が報じられています。
3) 今後の期待(市場が見たいもの)
- Azure成長が“減速しないこと”
- Copilot等のAI機能が、継続課金(ARPU)として定着すること
- AI投資が、粗利率/FCFをいつ改善させるか
この章のポイント
- 追い風は明確(クラウド×生成AIの高成長)
- 逆風も明確(Capex増=FCF懸念)
バリュエーション評価|期待はどこまで織り込まれたか
- PER(TTM):約26.1倍
- PBR:約7.55倍
- EV/EBITDA:約19.5倍
解釈:
- “絶対的に割安”というより、AI投資局面の不安が倍率を圧縮している状態。
- ここでAzure成長が維持されると「高く見えるだけ(=利益成長が追いつく)」になり、失速すると「高い」に戻る。
この章のポイント
- バリュエーションは“AI投資の回収可視化”次第で再評価余地
アナリスト評価と市場コンセンサス
- 例として、報道ベースでは強気(Buy相当)が大勢で、目標株価平均が上にある一方、決算後の株価下落が示す通り“論点はAzureとAI投資”です。
強気派の論点
- トップ3クラウドの一角で、AIを“課金”に転換できる
- 既存顧客基盤が圧倒的(M365、Windows、AD)
弱気派の論点
- Capexが重く、FCFが読みにくい(倍率が伸びにくい)
この章のポイント
- コンセンサスは強気優勢でも、評価軸は「成長率」→「成長の質(FCF)」へ移行中
主要リスク|相場がまだ見ていない落とし穴
| リスク | 発生確率 | インパクト | トリガー例 |
|---|---|---|---|
| Azure成長の鈍化 | 中 | 大 | 企業IT投資減速、競争激化 |
| AI投資の長期化 | 中 | 大 | GPU/電力/建設コスト上振れ、回収遅延 |
| 規制・独禁法 | 中 | 中 | クラウド/AI/広告の規制強化 |
| セキュリティ事故 | 低〜中 | 大 | 大規模侵害による信頼毀損 |
| 景気後退 | 中 | 中 | 企業ライセンス更新抑制、広告減速 |
この章のポイント
- 最大リスクは「Azure鈍化」か「AI投資負担の長期化」
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3〜5年シナリオ分析(イメージ)
※レンジは“考え方”の提示(投資判断の断定ではありません)。
強気(AI課金が定着)
- Azure成長:高水準維持、粗利率も改善へ
- 株価:高値更新~再評価(倍率維持/拡大)
中立(成長は続くがCapex重い)
- Azure成長:減速しつつも健全
- 株価:レンジ推移(利益増と倍率圧縮が相殺)
弱気(Azure鈍化+投資負担継続)
- 株価:再下落(“AIは儲からない”に傾く)
相場が織り込み始めているのは?
直近の下落は「弱気確定」ではなく、**中立寄り(倍率圧縮)**を織り込みに行っている動きに見えます(ただしイベントで再度振れやすい)。
この章のポイント
- “AI覇権”の勝者でも、投資回収の可視化がなければ株価は伸びにくい
長期投資家としての結論
結論:長期で戦える銘柄(コア候補)だが、今は「買い急がず、分割で拾う」局面。
判断理由(要点)
- クラウド市場トップ3にいる(中心銘柄化の条件)
- 年次の利益率が極めて高く、財務耐久力も厚い
- 直近四半期でも成長が強い(売上・営業益)
- ただしAI投資負担が重く、相場が評価軸を変えている
向いている投資家像
- 守備型×成長志向(コア運用):分割で長期保有
- 短期の爆発力狙いだけだと、イベントで振り回されやすい
この章のポイント
- “買いの銘柄”と“買いのタイミング”は別。MSFTは前者だが、今は後者を慎重に。
短期トレード視点(1〜3か月)
注目イベント
- 次回決算(Azure成長、クラウド粗利率、AI投資見通し)
- 金利(長期金利上振れ=倍率逆風)
需給の見方
- 出来高が維持されている間は“中心からの退場”ではない
- 逆に、出来高低下+戻り高値更新失敗が続くと“中心外れ”の兆候
この章のポイント
- 短期は「成長率(Azure)」と「投資負担(FCF/粗利)」の2軸で振れる
具体的投資戦略(ミドルリスク前提)
※テクニカル水準は概算の考え方です(厳密な支持線・抵抗線はご自身のチャートで最終確認)。
- 押し目買いゾーン(分割)
- 第1候補:$390±(心理節目+直近近辺)
- 第2候補:$370±(調整深掘れ時の拾い場)
- 第3候補:$350±(弱気シナリオ入りの“最終分割”)
- 利確目標(複数)
- 目標1:$430–440(戻りの第一関門)
- 目標2:$450–460(直近高値帯:到達すれば需給反転の確認局面)
- 撤退ライン(例)
- 「中立→弱気」移行の確認:Azure成長の明確な失速、または投資負担が想定以上に長期化(決算ガイダンスで顕在化)
- 価格面:第三分割の下抜けが続くなら、ポジションサイズを落とす(“中心外れ”対応)
注意:過度なレバレッジは推奨しません(イベントでギャップが出やすい局面)。
この章のポイント
- 戦略は「分割」「イベントで検証」「想定外ならサイズ調整」
総合評価
- 総合評価:8.6 / 10
評価理由
- クラウド市場トップ3の一角で、資金が集まりやすい
- 直近四半期の成長が強い(売上・営業益・EPS)
- 年次で高利益率を維持できている
- 財務の厚みがあり耐久力が高い
- 評価軸が「成長」→「成長の質(FCF)」へ移行中
- AI投資が重い間は倍率が伸びにくい
- Azure鈍化は最大の下方トリガー
- ただし“AI課金の定着”が見えれば再評価余地
- 中核銘柄候補として長期の優先度は高い
- タイミングは分割で慎重に
この銘柄は今どのフェーズ?
「AI覇権の中核候補だが、投資回収を市場が厳しく査定する“倍率調整フェーズ”」
免責事項
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。記載した内容は作成時点(2026年2月23日)で入手可能な情報に基づく見解であり、将来の成果を保証しません。投資には価格変動・為替変動等のリスクがあり、損失が生じる可能性があります。最終的な投資判断は、ご自身の調査・判断と責任にて行ってください。
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