対時価総額売買代金ランキング Top30 から読む「相場の中心」(分析基準日:2026年3月4日)

今日の相場の中心
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用語定義

本稿では 「対時価総額売買代金比率=中心度」 と呼称します。
算出ロジック:対時価総額売買代金比率=売買代金(百万円換算)÷時価総額(百万円)
これは実質的に 1日回転率(Turnover Ratio) を意味し、値が高いほど「その日、資金が強く集中していた銘柄」です。
また、中心度5%以上=異常値ゾーン中心度3〜5%=強い資金集中中心度1〜3%=通常の主役候補と定義します。


総論:本日の相場

2026年3月4日の東京市場は、日経平均が 前日比-3.61%(-2033円) と急落し、東証プライムも値下がりが9割超という“ほぼ全面安”でした。 これは「指数が下げた」というより、リスクオフ(先物主導の下振れ+追い証・投げ)で市場全体の需給が一斉に崩れた日と捉えるのが妥当です。

 その一方で、中心度(回転率)を見ると、下落局面でも売買が極端に集中した銘柄が複数存在し、中心度は「相場の体温」を映します。

中心度の分布は、異常値ゾーン(5%以上)が6銘柄強い資金集中(3〜5%)が4銘柄と、荒い相場に典型的な“回転の偏り”が確認されました(=投げ・損切り・短期売買の集中)。

一方で、「全面安の中でも中心度が高く、かつ株価が上昇した銘柄」は サンリオ(8136) と ニデック(6594) が該当し、需給の逆行が観測されます(後述)。
本当に相場の中心にいたのは、指数寄与の大きい超大型だけではなく、中心度が跳ねた“高ベータ(半導体・電線・非鉄・重工)”群でした。


結論:本日の相場構造は 「需給ショック型(リスクオフ/投げ売り主導)」 です。

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中心度Top30の構造分析(業種クラスタリング/テーマ抽出/政策・マクロ接続)

まずTop30(中心度=売買代金÷時価総額)

中心度順位コード銘柄名中心度(%)売買代金(百万円)時価総額(百万円)売買代金順位時価総額順位前日比(%)
15801古河電気工業(株)12.24239,4481,955,7076121-5.32
25016JX金属(株)8.80319,0073,626,577575-9.25
35706三井金属(株)8.48159,8061,884,94914125-9.13
4285Aキオクシアホールディングス(株)7.20755,66110,489,875125-4.73
56920レーザーテック(株)6.30196,6643,119,9371185-3.30
65803(株)フジクラ5.07337,6716,665,373449-7.22
77012川崎重工業(株)4.08206,5535,060,332958-7.35
88136(株)サンリオ3.4496,7252,809,77425960.69
96594ニデック(株)3.41124,4423,652,82419746.80
106146(株)ディスコ3.16126,0743,990,9211871-5.57
114062イビデン(株)2.9593,5793,176,0852784-7.75
125713住友金属鉱山(株)2.89101,0293,490,6582376-10.50
134004(株)レゾナック・ホールディングス2.7264,8992,384,14239109-6.22
147013(株)IHI2.60118,8554,573,2542064-7.43
152768双日(株)2.1836,3041,662,44763134-8.92
167735(株)SCREENホールディングス2.07110,5175,335,2542256-6.76
176506(株)安川電機2.0645,1702,188,63355114-6.32
189104(株)商船三井2.0074,7073,731,5283373-1.80
195802住友電気工業(株)1.9188,7764,656,6602863-3.68
206857(株)アドバンテスト1.80301,23416,712,792719-4.76
218729ソニーフィナンシャルグループ(株)1.8057,5223,196,1384383-2.61
226963ローム(株)1.7744,3932,502,72756106-5.48
239107川崎汽船(株)1.7555,2653,162,1394585-1.75
243563(株)FOOD & LIFE COMPANIES1.6628,8461,742,073771303.21
258473SBIホールディングス(株)1.6278,5414,840,4113161-6.13
269201日本航空(株)1.5541,4872,677,40058100-5.29
276525(株)KOKUSAI ELECTRIC1.5349,1923,218,2985182-7.33
288303(株)SBI新生銀行1.3817,2461,251,990118153-6.26
299101日本郵船(株)1.3371,1055,329,9073557-2.85
305411JFEホールディングス(株)1.2169,4055,745,3993754-5.34

業種クラスタリング

  • 半導体・電子(装置/検査/材料/デバイス):キオクシア、レーザーテック、ディスコ、イビデン、SCREEN、アドバンテスト、ローム、KOKUSAI、レゾナック
    → 典型的な“高β・指数寄与も大きい領域”。急落局面では先物→裁定→個別の順で売りが波及しやすく、中心度(回転率)が上がりやすい。
  • 非鉄・電線(資源+インフラ/電力・データセンター連想):古河電工、フジクラ、住友電工、JX金属、三井金属、住友金属鉱山
    → 需給が崩れた日に“投げが出ると回転が跳ねる”代表格。中心度の異常値ゾーン(5%以上)の中核でもあり、本日の資金集中の主戦場
  • 重工・防衛(国策・設備投資):川崎重工、IHI
    → テーマ資金も入りやすいが、この日は地合いが悪く下落。ただし中心度は高く「売買の主戦場」になった。
  • 海運・航空(景気敏感):商船三井、川崎汽船、日本郵船、日本航空
    → リスクオフで売られやすいが、板が厚く短期勢が回しやすいため中心度が上がる。
  • 消費・IP(逆行枠):サンリオ(+0.69%)、FOOD&LIFE(+3.21%)
  • 金融:SBI HD、SBI新生、ソニーフィナンシャル

なぜこのセクターに資金(売買)が集まったのか

結論から言うと、本日は「買い資金流入」というより、リスクオフ下での“ポジション調整の売買集中”が中心です。

中東情勢懸念・原油高警戒といった外部ショックで指数が急落し、売りが広範に出たことが報じられています。 

こういう日は、(1)高β(半導体・電線・非鉄)が真っ先に売買され、(2)流動性がある銘柄ほど損切りと買い戻しで回転が上がり、中心度が跳ねます。
一過性か新構造かで言えば、今回の中心度上昇は「テーマの新規点火」よりも、まず需給イベント(ショック)の副産物
の色が濃い。

ただし、電線・非鉄・半導体の“構造テーマ”自体が消えたわけではなく、次の局面で中心度が再上昇するなら「構造テーマとしての復帰」を確認できる、という位置づけです。

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指数寄与度との対比分析(中心度 vs 指数寄与)

本日の下落局面で、日経平均のマイナス寄与上位としては アドバンテスト、SBG、東京エレクトロン、ファナック、フジクラなどが挙げられています。
ここで重要なのは、「指数に影響している銘柄」と「資金が集中している銘柄(中心度が高い銘柄)」は一致しないことが普通に起きる点です。

  • 指数寄与度:値がさ株・ウェートの大きさで決まる(“動けば指数が動く”)
  • 中心度:売買代金÷時価総額=回転率で決まる(“資金がその日回った”)

例:アドバンテストは指数寄与でトップ級ですが、中心度順位では20位(中心度1.80%)です。つまり「指数を大きく動かした」が「回転率が最上位だった」わけではない。逆に、古河電工(中心度12.24%)やJX金属(8.80%)は“回転率の主役”ですが、指数ウェート上位というわけではないため、指数寄与の見え方とはズレます。
このズレこそが、中心度分析の価値です。指数だけ追うと「指数主導」に見えても、中心度では「どこで投げが起き、どこで短期資金が回ったか(真の戦場)」が見えます。


資金の性質を推測

本日の中心度Top30は、全体として「短期回転」の匂いが強い。

  • 異常値ゾーン(中心度5%以上):古河電工/JX金属/三井金属/キオクシア/レーザーテック/フジクラ
    • 時価総額が中〜大、売買代金が巨大で、下落局面でも回っている
    • アルゴ主導高速売買+ヘッジファンド短期回転が主成分(指数急落日に最も回転が上がりやすい)
  • 強い資金集中(中心度3〜5%):川崎重工/サンリオ/ニデック/ディスコ
    • 川崎重工:テーマ(防衛・設備)×地合い悪化で“売り買い交錯”=短期勢
    • サンリオ・ニデック:下げ相場でプラスを維持しており、国内勢テーマ資金(逆行狙い)の比率が相対的に高い可能性
  • 通常の主役候補(中心度1〜3%):半導体周辺、海運、金融などが横並び
    • 板が厚く回しやすい=アルゴの回転が効くゾーン
    • 年金・実需は通常「回転率を押し上げる動き」になりにくいので、本日は主役ではない

中心銘柄ランク分類(S/A/B)とコメント

Sランク(中心度5%以上:異常値ゾーン)=6銘柄

  • 古河電工/JX金属/三井金属/キオクシア/レーザーテック/フジクラ
    • 短期主役:間違いなく主役(ただし多くは下落=“売りの主役”)
    • 中期中核候補:キオクシア、レーザーテック、電線・非鉄は“テーマ復帰”の余地はあるが、今日は需給要因が主
    • 一過性可能性:高い(ショック日に中心度が跳ねただけの可能性)

Aランク(中心度3〜5%)=4銘柄

  • 川崎重工/サンリオ/ニデック/ディスコ
    • 短期主役:特にニデック(+6.80%)は“逆行の核”
    • 中期中核候補:サンリオ・ニデックは「下げ相場で買われる」性質が続くか要観察
    • 一過性可能性:川崎重工は地合い次第で回転が剥落しやすい

Bランク(中心度1〜3%)=20銘柄

  • 半導体周辺(SCREEN、アドバンテスト、ローム、KOKUSAI、イビデン等)、海運、金融、JFEなど
    • 短期主役:指数の荒れが続く間は回転継続
    • 中期中核候補:中心度が“下落局面でも維持される”銘柄が残る
    • 一過性可能性:ショックが収まると中心度は急低下しやすい

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市場心理の解剖

  • 強気材料
    • 売買代金が膨らみ(=強制的なポジション整理を含む)、短期的には“投げの出尽くし”が視野に入る局面になり得る。
  • 警戒材料
    • 値下がり銘柄が9割超の全面安は、センチメント悪化が自己増殖しやすい(追い証→換金売り→指数下振れ)。
    • 中東情勢・原油高懸念が続くと、リスクオフは“もう1段”起こり得る。
  • 崩れる場合のトリガー
    • 先物主導の下振れ再開(寄りからのギャップダウン拡大)
    • 高β(半導体・電線・非鉄)の中心度が再び異常値化しつつ下落が続く(=投げの第2波)

総括

日経平均は-3.61%の急落で、東証プライムは値下がり9割超の全面安。中心度(回転率)は非鉄・電線・半導体に強く偏り、異常値ゾーン(中心度5%以上)が6銘柄と“投げ+短期回転”の色が濃い。一方、サンリオ・ニデックは下げ相場で逆行高となり需給の強さが目立つ。本日の相場構造は需給ショック型。

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